20XX年『地球人口限界』

 長らく政治家、学者、知識人によって議論されてきたことがある。
それが、地球はあと何人の人間を養えるか?だ。
 ある学者はこう主張する。すでに地球人口限界は突破していて、その証拠が、 地球温暖化であると。またある者は、現在の大量生産、大量消費を見直し、 地産地消とエネルギー電化の効率化が進めば、まだ地球には余力があると主張する。
知識人たちは、教育を通して、人々の倹約、節約意識を育てることこそが重要だ ともいう。
しかし一方で、彼ら多くの認識は一致している。それが百億人限界説である。
 多くの人口を抱える中国やインドが、先進諸国民並みの生活を始めたら、 どうなるか? 全ての途上国が、先進諸国で起こっているような少子化社会に なる前に、地球は人間で溢れ、富や資源を求めて各地で争いが頻発する。 地球人口がこのまま限界値とされる百億人を突破してしまえば、間違いなく、 地球か人類かのどちらかが、死滅するだろう。
20XX年。すでに地球人口は90億人を突破し、あと数年のうちに、100億人に 達する見込みだ。
 もはや、人類に与えられた時間はなく、議論から実行に移す時が来ていた。